フリーランスエンジニアになると、多くの魅力がある一方で、事務作業を自分で対応しなければならない課題にも直面する。会社員として働いていた際には、人事や経理部門が担っていた業務が、フリーランスになることで自分の肩にのしかかるのだ。例えば、契約関連の業務が挙げられるだろう。クライアントとの間で業務内容や納期、報酬などを明確にするためには、契約書の作成が不可欠だ。特にフリーランスエンジニアには、著作権や機密保持の条項といった専門的な内容を含む契約も少なくない。こうした文書を適切に準備し、交渉を進めるスキルが求められる。さらに、契約後の変更や解除に関わる手続きも自力で対応しなければならないことから、事務作業には相応の時間と注意が必要だろう。
また、日々の経理処理もフリーランスエンジニアが直面する大きな負担の一つである。収入の管理だけでなく、業務に必要な機材の購入費用や交通費など、多岐にわたる経費の記録と管理を行わなければならない。これらの記録は確定申告時に正確な税額を算出する上で不可欠なため、日常から丁寧に管理することが求められる。さらに、税金の計算や申告手続きには専門的な知識が求められることから、フリーランスエンジニアは税理士などの専門家のアドバイスを受けることも一つの選択肢となるだろう。しかし、そのような専門家のアドバイスを求める場合でも、基本的な事務作業の理解と準備が必要であり、事務処理への負担は少なくない。